
会社の設立後、「登記事項」に変更が生じた場合、変更登記をしなければなりません。
「登記事項」とは、いわゆる「登記簿」に載っている事項です。
商号、本店、資本金、役員などなど。
変更登記の中でも一番なじみがあるのは、役員変更だと思います。
役員の任期にもよりますが、取締役・監査役の任期は最長でも10年ですので、少なくとも10年に1回は役員変更登記が必要になります(合同会社、特例有限会社などを除く)。
会社法では、変更があった時から2週間以内に変更登記をしなさい、と定められています。(会社法915条第1項)
そして、この変更登記を怠ると、過料の制裁を受けることがあります。(会社法976条本文、同条第1項)
どれぐらいの期間登記しなかったら過料の通知がくる、というようにはっきりとした規定はありません。
また、過料の金額は、上記の会社法で「100万円以下」と定められていますが、実際に過料の額がいくらになるかは、通知が来てみないとわかりません。
ただ、そこまで高額な過料を支払ったという話は聞いたことがありませんが。
平成18年の会社法施行により、役員の任期は最長10年まで伸長出来るようになりました。
この記事を読まれた方は、この機会に一度自社の任期満了時期を確認されてみてください。
定款に記載されているはずです。
任期を最大の10年にすれば、その間に役員の変動や登記事項に変更がなければ、役員変更登記をしなくて済みますので、手間がかからないことや、費用的なメリットがあります。
そのようなことから、会社法施行以降は、任期を10年にする会社が多くなりました。
しかし、10年というと、かなりの人が満了時期を忘れてしまいます。
忘れた場合は、前述した「過料」の制裁を受ける場合があります。
また、任期の間に一部の取締役に辞めてもらいたい事情ができた場合、取締役の解任には注意が必要です。
一般に、取締役の解任決議自体は株主総会の普通決議で可能ですが、相当の理由なく解任した場合、当該取締役から損害賠償請求を受ける可能性がありますので、議決権の大半を持っている社長の意向であっても、簡単に解任できない場合があることは踏まえておくべきです。
以上のように、変更登記忘れが多いことや、取締役解任の問題など、決して「10年が良い」とは限らないため、任期自体を再考されるきっかけにしていただければと思います。