会社を設立する際にハンコを作る必要があります。
それは、
① 代表印
② 銀行印
③ 角印
の3つです。
それぞれの必要性は次のとおりです。
①代表印(丸印)は、登記所(法務局)に印鑑登録する必要がありますので、絶対に必要です。
②銀行印(丸印、①より小ぶり)は、①を使っても誰も文句は言わないとは思いますが、安全性を考えて、多くの方が作ります。
③角印(正方形)は、請求書や領収証など、日常営業の中で、当該文書が会社によって発行されたことを明らかにするために使うものですので、①があれば必ず必要とは言えませんが、②と同様、多くの方が作ります。理由も②と同じです。
要するに、①は社長が厳重に保管して、②は出納責任者が厳重に保管して、③は一般社員もほぼほぼ使える、というようなセキュリティレベルに応じて使い分けを出来るように3つ作っておく、わけです。
ということで、①は絶対に必要、②・③は任意だけれども普通は作る、ということになり、結局3つ作ることになります。
例え1人会社だとしても、実印(①)の印影がいろんな取引先やお客様の所に出回ると気味が悪い(偽造印を作られる可能性)ですので、3つ作った上で使い分けられることをお勧めします。
また、ハンコではありませんが、通称「社判」とか「ゴム印」と呼ばれる、「郵便番号・住所・社名・代表者名・電話番号」がセットになったゴム版のスタンプもほとんどの方が作ります。
これがないと、相当不便です。
住所や社名などを分解して必要な所だけ使えるタイプのものが主流で、私も一体型よりは分解タイプをお勧めします。
実際、書類によって、電話番号が必要なかったり、社名だけ必要だったりすることがかなりありますので、そのような場合でも分解タイプは対応が出来るからです。
~ネットで安く済ませるか、近所のはんこ屋さんでそれなりのものを作るか~
そして、最近は、これらのものをインターネット通販で作られる方が多いと思います。
何しろ、店舗型のはんこ屋さんと比べると、とんでもなく安いですから。
黒水牛のはんこが5千円以下で買える店もあるのでビックリです。普通のはんこ屋さんでは2、3万円はします。
私が町のはんこ屋さんに聞いた話では、機械彫りか手彫りの差もそうですが、デザインがパソコンフォントか職人のデザインか、によってもかかるコストが違う、ということでした。
パソコンフォントを使うということは、同じものを作られることも容易になりますので、デザインを個別に変えてくれる職人に頼んだ方が、一応偽造の防止にはなるということです。
インターネット上では、篆書体(てんしょたい)が偽造されにくい、という表記がされている場合がありますが、パソコンフォントであればあまり意味がないことになります。
ただ、昨今起きている印鑑偽造の事件記事をみると、今は印影から簡単に偽造印を作ることが出来る時代になっています。
地面師の事件では、「印鑑証明書」までもが精巧に偽造されているようです。
印影から同じものを起こせるのであれば、ハンコが作られる過程など関係がなくなってしまいます。
結局、「偽造防止」という観点は気休め程度の時代になってきたのかもしれません。
私は先ほどの町のはんこ屋さんで、手彫り・職人デザインのものを作りましたが、「偽造防止」に重きを置くか、「ハンコそのものの価値認識(高級品好き、風水、ゲン担ぎ等)」、そして「予算」と、その方その方それぞれだと思いますので、一概にどちらがいいとは言えないところです。