長期間相続登記等がされていないことの通知

長期間相続登記等がされていないことの通知

 

令和元年9月以降、全国の法務局では、
所有者が亡くなっているものの長期間相続登記がされていない土地の法定相続人に対し、
「長期間相続登記等がされていないことの通知」の発送を行っています。

 

「長期間相続登記がされていない」の意味をご説明しますと、
不動産の所有者が亡くなった場合に、その相続人に名義を変える登記手続きのことを一般に「相続登記」と言いますが、この登記が長期間されていない、ということです。

 

現在、全国で多くの土地が、相続登記未了のままとなっており、その数は増加の一途です。
そのために土地が有効に活用されず、また、公共事業においては所有者特定の大きな支障となっています。

このような背景があって、国では様々な対策を検討、実施しているところですが、その一つとして、法務局では、長期間相続登記がされていない土地の所有者の法定相続人を調査し、それが判明した法定相続人の一人に対して、上記の通知を発送し、相続登記を促しています。

 

・現在のところは、30年以上相続登記がされておらず、公共事業等で必要とされる土地について、通知を発送しています。

・また、法定相続人全員に対して通知を発送しているわけではなく、法定相続人の内の任意の一人に対して発送しています。

 

なお、相続登記は義務ではありませんので、上記の通知が届いたからといって必ず登記をしなければならないということではありません。

 

しかし、相続登記をしないまま放置しておくことは得策とは言えません。

放置しておいた場合の弊害を以下にまとめてみましたので、まずはこちらをご覧いただければと思います。

 

相続登記をしないで放置しておくことの弊害

1 売りたい時に売れない
2 時間が経過するほど、関係者が亡くなるなどして、孫・ひ孫と相続人が増加し、遺産分割協議(ハンコもらい)が困難になりやすい
3 法定相続分による登記がされることによる弊害

1 売りたい時に売れない

土地を売却する場合、売買と同時に土地の登記簿の名義を買主に変える登記を行うことが通常ですが、その前提として、登記簿の名義が売主名義になっていなければなりません。つまり亡くなった先代の名義のままでは、事実上売却はできません。

2 時間が経過するほど、関係者が亡くなるなどして、孫・ひ孫と相続人が増加し、遺産分割協議(ハンコもらい)が困難になりやすい

例えば、お母さんは数年前に亡くなられていたとして、お父さんが亡くなられた場合、その相続人は子どもです。

子どもが2人いれば、法定相続人は2人となります。 この時点で相続登記をするためには、子ども2人が実印を押した遺産分割協議書が必要になります。

しかし、遺産分割協議をせずに、そこから50年が過ぎました。

子ども二人にはそれぞれ子ども(お父さんから見て孫)が生まれ、その子どもにも子ども(同じくひ孫)が生まれています。
ひ孫が
12人にもなっていたとすれば、基本的に12人が法定相続人です。

この時点で相続登記をするには、12人全員が実印を押した遺産分割協議書が必要になります。
12人の中には、連絡がつく方もいればそうでない方も出てきますし、全国または国外にいらっしゃる場合もあります。

相続登記は、時間が経過すればするほど困難になりやすく、手続きをするタイミングも逃しがちです。

3 法定相続分による登記がされることによる弊害

相続登記においては、法定相続人の1人からの法定相続分による登記が認められています。
2の子ども二人の例でみてみると、

土地の登記簿の所有者
持分2分の1 子どもA
持分2分の1 子どもB

という登記を、子どもAからでもBからでも、単独で登記申請することが可能です。 その場合、一方のハンコや、一方への相談なく登記することが可能です。
この登記がされると、「自分の名義になった持分」だけは売却することが可能ですし、その持分だけに抵当権を設定することもできます。

また、子どもBに借金があり、返済が滞った場合、B の債権者が上記のような法定相続分による登記を代位申請して、Bの持分について差押え登記をすることもできます。

このようなことになると、土地全体を売却する支障になりますし、自分の持ち分を売却することも難しくなります。 

 

法務局が作成した説明動画も公開されています。

お時間がある方は、こちら(説明動画)もご覧ください。

 

通知を受けた方はこの機会に相続登記をされることをお勧めします

相続登記をせずに放置しても、いいことは何もありません。

このタイミングを逃さず、手続きをされることをお勧めいたします。

ご不明な点がありましたら、法務局や登記の専門家である司法書士にお問い合わせください。
もちろん、当事務所でも相談をお受けしておりますので(無料)、お気軽にお問い合わせください。

 

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