
株式会社を設立するには、定款の認証や設立登記等の手続きが必要になります。
もちろんご自身で手続きすることもできますが、電子定款を用いることで印紙代の4万円を節約できるようになったこともあり、司法書士などの専門家に依頼される場合が多いのではないでしょうか。
ただ、その依頼先については、司法書士以外にも税理士事務所や行政書士事務所があり、さらには、書類作成のシステムを提供するだけのサービスも見かけられるようになりました。
そのような状況ですので、依頼するとして、どこに頼めばいいのか、ということで悩まれる方もいらっしゃると思います。
インターネットで検索できる範囲だけでも、多くの業種と、多様な料金設定がされていますので、正直なところ、私が設立するとしても、どこに依頼すればいいのか、かなり悩みそうです。
ここでは、他の士業の方や、書類作成システムを提供している事業者さんは置いておいて、会社設立を「司法書士」に依頼するメリットにしぼってお話したいと思います。
1 会社と登記
会社は、設立の登記をすることによって始まり、解散・清算の登記をすることで終了します。
また、登記されている内容に変動があった場合は、その旨の登記を2週間以内にする必要があります(会社法915条1項)。
増資・減資をした、本店が変わった、代表者の住所が変わったなどの場合、変更登記申請が必要になりますし、役員の任期が到来した場合には、たとえ同じ方が再任されたとしても、その旨の登記が必要になります。
会社が存続する限り、会社と「登記」とは切り離せないのです。
2 商業登記の専門家
依頼者に代わって登記申請の代理を行うことができるのは、基本的に司法書士だけです。
例えば税理士さんや行政書士さんを通じて設立されたとしても、「登記」の部分については、税理士さん行政書士さんは申請の代理が出来ませんので、設立登記はもちろん、その後の変更があった場合の登記についても、最終的には司法書士に依頼することになるのが一般的です。
司法書士になるための司法書士試験では、会社の登記に必要な「会社法」と「商業登記法」の相当な理解がなければ合格できません。
「商業登記」の専門家は司法書士です。
3 紛争防止の役割
「登記」と一口に言っても、ただ登記がされればよいというわけでもありません。
「登記の申請」に限って言えば、いまやインターネット上で多くの情報を取得できますので、ご自身で手続きするハードルも低くなってきています。
しかし、登記は出来たとしても、会社法に則った手続きを経ていない場合には、後になってトラブルに見舞われることもあります。
司法書士は、会社法・商業登記法の専門家です。
単に申請を代行するだけではなく、適正な手続きとその周辺にあるリスクのご説明を行い、後々の紛争を防止する役目を担うことが出来ます。
4 まとめ
以上のように、会社が存続する間は、会社と登記手続きとは切っても切り離せません。
しかし、一般の方が登記の仕組みや会社法について理解をするのは困難です。
実際、設立から相当年数が経過している会社さんの登記のご依頼を受ける場合(これまで司法書士が関わってこなかった会社様です)、登記懈怠若しくは選任懈怠に陥っていたり、定款に不備がある場合が多々あります。
>>登記懈怠について、詳しくはこちら
登記懈怠をすれば、過料の制裁を受ける場合がありますし、また定款の不備や不適正な手続きによりトラブルが起こる場合もあります。
設立当初から、何かあった場合に気軽に相談できる司法書士がいれば、社長様も心強いのではないかと思います。